話別レビュー(第弐拾壱話〜最終話)
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冒頭のトップシークレット映像はセカンドインパクトの時に撮影されたものだろうか?冬月が拉致された。その事件は加持によるものだった。その頃、冬月はキールたちに会っていた。冬月先生と呼ばれた時、その言葉に冬月は昔始めてユイに会った時のことを思い出していた。更に、老人のゲンドウに対する不満の言葉に、六分儀の性だった頃のゲンドウと会った頃を思い出していた。そして、セカンドインパクトを経て冬月は愛知でモグリの医者をやっていた。南極を行く船の中で、六分儀は碇と性を変え再び冬月の前に現れた。ミサトは、加持との経歴もあって、ネルフ内に軟禁されていた。それは、失語症になっていた頃の自分を思い出させるものだった。それと同じくして、冬月は赤木ナオコと会っていた。そこは、ネルフの前身ゲヒルンだった。やがて、シンジの前でユイがエヴァの中に取り込まれてしまい、それから10日後、ゲンドウは冬月に人類補完計画の遂行を提言する。2010年のある日、ゲンドウは幼いレイを連れていた。そして、スーパーコンピューターMAGIの完成日、リツコと別れたナオコの前に、レイが現れた。「ばあさんは用済み」と言うレイを、思わず絞殺してしまうナオコ。その後、完成したばかりのMAGIの上に飛び降り、自殺してしまう。この時ナオコの遺体の頭はカスパーの方を向いていた。 冬月を再び連れ出した加持。冬月が戻ったことで、ミサトの軟禁が解除される。そして、加持の前に現れたミサトは、無言のまま引き金を引いた。その夜、ふと、自宅の留守番電話にメッセージがあることに気づき、震える指で再生ボタンを押すミサト。それは、加持からのものだった。加持の言葉に泣き崩れるミサト。何も言えないシンジ。その夜、葛城家には、会話がなかった。 今回のお気に入りセリフ:「もし、もう一度会えることがあったら、八年前に言えなかった言葉を言う よ」(リョウジ) |
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実験の失敗により、重度の精神汚染を被ってしまったアスカの母、惣流・キョウコ・ツェッペリン。そして、不倫を重ねる父。そんな家庭不和の中でアスカは育った。大人など信じられない、自分は誰にも頼らず一人で生きてみせる。いつの頃か、アスカはそう考えるようになっていた。一人初号機のケイジにいたミサトに日向が声をかけた。エヴァの量産が始まったと言うのだ。それも非公式に。 その夜、久しぶりに三人揃った葛城家だが、その空気は非常にギスギスしたものだった。翌日のシンクロテスト。アスカの数値は起動指数ギリギリと言う惨憺たる結果だった。シンジに負けたことでアスカの矜持はズタズタだった。そんな中使徒の襲来。突如、衛星軌道上に現れたのだ。零号機で使徒を迎撃し、弐号機はバックアップに回れと言うミサトの作戦を振り切って発進するアスカ。初号機は先の暴走、S2機関の取り込みによりゲンドウが凍結命令を出していた。ポジトロンライフルでの超長距離射撃を仕掛けようとするアスカ。その時、使徒からアスカの心へ侵食が仕掛けられた。心の古傷を抉り出されるアスカ。ミサトの撤退命令を振り切るアスカ。別の地点から零号機が射撃を加えるも、使徒のA.T.フィールドに弾かれてしまう。そして、とうとう弐号機は活動停止。自分が出ると言うシンジは静止し、レイにロンギヌスの槍の使用を命令。命令を受け、ドグマのリリスから槍を引き抜き、使徒めがけて投擲。見事A.T.フィールドを突破し、使徒は殲滅。しかし、シンジに助けられたことに続き、レイにまで助けられたことでレイのプライドは崩壊していた。 今回のお気に入りセリフ:「汚されちゃったよぉ…」(アスカ) |
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部屋に閉じこもり、加持のメッセージを聞くミサト。ヒカリの部屋に泊まっているアスカ。虚空を漂うロンギヌスの槍。そんな中、使徒の襲撃があった。発進する零号機と弐号機。突如動き出す使徒。零号機に侵食を仕掛けた。援護に回る弐号機。しかし、起動指数を下回るシンクロしかしていないアスカは、弐号機を動かすことすら出来なかった。エントリープラグ内で涙を流すレイ。レイの生命維持に問題が発生した時、ゲンドウは初号機の凍結を解除した。直ちに救出に向かうシンジ。が、そのシンジにも使徒は侵食を仕掛けた。そうはさせまいと、レイは自らのA.T.フィールドを反転。零号機のコアに使徒を押さえ込んでいく。そして、自爆を仕掛けるレイ。臨界点を越えた零号機のコアは、レイと使徒を巻き込み爆発した。翌日、ミサトの元にレイが救助されたとの連絡が入る。喜び、レイを言うシンジ。しかし、レイは、私は三人目だからよく分からないと言った。 ゼーレは、助かったレイについて尋問を要求。しかし、ゲンドウはその代わりにとリツコを差し出す。しかし、それはリツコの心を大きく揺るがせた。その後、リツコはシンジのガードを解いたから今からこちらに来いと電話をする。シンジを連れ、ドグマを降りていくリツコ。扉を開くためにカードを通すが、扉は開かなかった。驚くリツコの背中に、銃の硬い感触が突きつけられた。即座に加持の仕業と見抜くリツコ。三人が入ったのは、レイの部屋と酷似した部屋だった。そこを通り抜け、ダミープラグひいてはレイの生産工場に足を踏み入れる三人。そこで、数十人のレイを目にするシンジとミサト。そこで、セカンドインパクトの真相とレイについて話すリツコ。その後、レイを破壊してしまう。その行為を糾弾するミサト。しかし、魂の無いレイは物でしかないと言うリツコ。そして、私はそんなレイにさえ勝てなかった、負けたのよと吐き捨て、泣き崩れた。その背中に、エヴァに取り憑かれた者の悲劇かと言うミサトの呟きが重なった。 今回のお気に入りセリフ:「涙…初めて見たのに、初めてじゃない気がする」(レイ) |
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プライドの崩壊したアスカは、崩れた洞木家の風呂場で発見された。その頃、リツコはダミープラグを破壊した罪で監禁されていた。失望したというゲンドウの言葉に最初から期待していなかったくせにと声を震わせるリツコ。 零号機の起こした爆発によって、第三新東京市は壊滅していた。家を失ったクラスメートは疎開してしまい、トウジ達もいなくなった。そんな中、シンジはカヲルと出会う。優しいカヲルに心を開いていくシンジ。初号機を見つめるゲンドウ。このとき、ゲンドウの左手に、融合したアダムがあった。 しかし、カヲルは謎の多い少年だった。全ての経歴は抹消済みで、しかもコアの変換もなしにエヴァとシンクロ。しかも、そのシンクロ値を自由に設定することが出来た。更に彼はゼーレから送り込まれた使徒だった。ミサトはリツコと会って、その時カヲルが最後の使徒だと聞く。そして、誰も乗っていないのにもかかわらず弐号機が動き出した。追撃する初号機。弐号機を押さえ込む初号機。その時、初号機のプログ・ナイフがそれて、カヲルに向かった。しかし、カヲルに直撃する前に、A.T.フィールドによって阻まれてしまった。カヲルはA.T.フィールドは誰もが持つ心の壁だと言う。その時、カヲルから今までに無いほど強力なA.T.フィールドが発せられた。それは、電磁波、光波、粒子も遮断。それはまさに結界とも言うべきものだった。そして、連絡の途絶えたシンジ達は、最下層に到達していた。巨人と向き合うカヲル。しかし、カヲルはこの巨人がアダムではないことを看破。その後ろで、弐号機の倒れる音が響いた。初号機の腕に捕まるカヲル。カヲルはシンジに自分を殺せと言う。葛藤するシンジ。しかし、長い躊躇いの後で、結局カヲルを殺してしまう。また友人を失ったシンジ。ミサトに、「カヲルが好きだった。カヲルの方が生き残るべきだった」と言った。しかし、そんなシンジにミサトは、「生き残るべきなのは、生きる意志を持った方だ」と感情のこもらない声で言った。 また、今回の題名の“シ者”は、一つにすると、“渚”になるというエピソードは余りにも有名。しかし、この“シ”には何が入るのだろう?普通に考えれば、“使”だろう。カヲルは最後の使徒だから。しかし、劇場版はこの際考えず、TVシリーズのみで考えると、“死”が入ることも考えられる。理由は簡単。カヲルが最後の死者だからだ。これ以降の話で死人は出ない。果たしてどちらが入るのだろう? 今回のお気に入りセリフ:「生と死は等価値なんだ、僕にとってはね」(カヲル) |
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カヲルを殺したことで、シンジは煩悶する。助けを求めても既に助けてくれる人は誰一人いなかった。何が怖いのか?誰かに嫌われること、父に嫌われること、捨てられることが怖い。なぜエヴァに乗るのか?みんなが乗れって言うから、その通り乗ると、誰もが褒めてくれるから。そんなシンジをアスカが責める。誰かが与えてくれる偽りの幸せを待っているだけではないか?しかし、それはあなたも同じとレイは言う。しかし、更にアスカはあんたみたいな人形に言われたくないと言う。そこでレイは考える。なぜ偽りの心を持った自分が存在するのか?しかし、その考えを即座に否定した。自分は、周りの人々との繋がりによって形作られている。それが絆。 人類補完計画とは、自分の心の足りない部分を、他人と心を一つにすることで補うと言うものだった。ミサトの煩悶、そして、アスカの煩悶が続く。何を願うのか?幸せとは何か?何を望むのか?事実があり、それが自分の記憶となった時、それは真実となる。このシナリオは破滅と言う結果に終着した。それは、シンジが嫌いな物を排除した、小さな自閉空間。この世の終わり。 今回のお気に入りセリフ:「−−−」(---) |
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シンジの補完は続いていた。シンジの中には恐怖がある。その恐怖から逃げるために、自分はいらないと自分を欺き逃げていた。なぜ生きるのか?誰のために生きてるのか?生きていて嬉しいのか?本当に?辛ければ逃げていいのか?なぜエヴァに乗るのか? この世に起きること、全てに負のイメージを乗せ、全てを拒絶してしまう。何が欲しいのか?自分に、生きていくだけの、大切にしてもらえるだけの価値が欲しい。自分とは一体何か?だから心の閉塞を願う。 何も無い世界、誰もいない世界。何者にも束縛されない自由の世界。しかし、漠然とし過ぎている。自分に不自由を与えていくことで、周りを創り、それと区別することで自分を形成できる。それは、かつて神が行った、天地創造とよく似たものだった。 ひょっとしたら、アスカが幼なじみでユイが家にいて、レイが性格の明るい転校生で、街角でシンジとぶつかり、ミサトが学校で人気bPに美人教師である。そんなシナリオも存在し得るわけだ。要するに、自分がどう受け止めるかによって、いくらでも真実は変わって行く。その程度の脆弱なものなのだ。だから、自分が卑屈になることは無い。そして、自分はここにいてもいいのかもしれない。好きになれるかもしれない。自分はここにいたい。ここにいてもいいんだ。その結論に達し、シンジの顔に晴れやかな表情が浮かんだ時、シンジの心の補完は完了した。 今回のお気に入りセリフ:「何?すぐにその子庇っちゃってさ、何そういう関係なワケ?」(レイ) |